今回紹介するのは、オグロプレーリードッグだ。
あら可愛い。犬なのかな？
実はこう見えてリスの仲間なんだ。今回はオグロプレーリードッグの生態や見られる動物園をお伝えしていくぞ。
オグロプレーリードッグの生態
1.プレーリードッグはリスの仲間
オグロプレーリードッグ
分類：ネズミ目リス科
生息地：北アメリカ中部の草原
体長：30～40cm
体重：0.8～1.4kg
オグロプレーリードッグはその名の通り尾の先が黒いプレーリードッグです。
プレーリードッグの中でも最も知名度が高い種で、日本の動物園で見られる全てがオグロプレーリードッグになります。
家族単位で群れを成し、巣穴で共同生活する社会性の高い動物です。
詳しくは次の項目でお伝えしていきます。
2.穴を掘って生活するリス
プレーリードッグはジリスのように地上で暮らすリスの仲間です。
日本で見られる二ホンリスやエゾリスは樹上性のリスなので、木に登らないリスというのに違和感を覚える方もいるかもしれませんね。
木に登らないプレーリードッグは、持ち前の鋭い爪で穴を掘り地中に巣を作ります。
巣穴はトンネルでつながったいくつもの部屋があり、それぞれ子育て部屋や寝室、貯蔵庫、トイレなどそれぞれ使い道が決まっています。
巣穴は大きいもので深さ4～5ｍ、長さは30ｍにも達します。
入り口には掘った土を盛り上げてできた「マウント」と呼ばれる台があります。
プレーリードッグはマウントに立ち、コヨーテやタカなどの天敵が近づいていないのかを見張るのです。
動物園の展示施設には人工的な巣穴のためにマウントが無い場所も多いものの、立ち上がって周囲を見渡す姿をよく見せてくれます。
3.一夫多妻制の家族で暮らす
プレーリードッグはオス一匹にメス数匹と、その子どもたちから成る「コテリー」と呼ばれる家族集団を形成します。
家族は同じ巣穴で生活し、エサを分け合ったりお互い毛繕いし合います。
さらに挨拶代わりにお互いの鼻をくっつけたりキスを交わしたりすることでも知られる、社会性の高い動物なのです。
オグロプレーリードッグはこの家族集団がたくさん集まり、数十万～数百万にもなる大コミュニティでくらします。
このコミュニティは「タウン」と呼ばれ、その名の通り町のような大集団となっています。
このタウンというのが規格外の大きさを誇り、記録上の最大のタウンは6万5千平方キロメートルにも及びました。
規模が多すぎて想像が付かない……！
4.名前の由来は鳴き声から
プレーリードッグという名前は「プレーリー」と「ドッグ」に分けられます。
プレーリーとは、北アメリカ大陸の草原の総称です。
その草原に生息していることからこの名前が付けられたと言われています。
ドッグというのは、プレーリードッグの鳴き声から来ています。
前述の通り、天敵の存在などを仲間に知らせる鳴き声が「キャンキャン」と犬の鳴き声に似ていることが名前の由来とされています。
動物園でも鳴いている姿を見られるのかな～？
鳴いているところを何度か見たことがあるぞ。けっこう甲高くて、犬に似ているかと言われたら……微妙だったな。
運が良ければ動物園でも鳴き声を聞くことができるかもしれません。
5.プレーリードッグは仲間を殺す
プレーリードッグは社会性が高く群れ同士が仲良しということはわかっていただけたと思います。
しかし、そんな平和なプレーリードッグも繁殖期に入ると自体は一転します。
繁殖期には何とコテリー内のメスがお互いの子どもを殺そうとするのです。
同じ家族だろうと、よその子は全員ライバル。
ライバルを減らすことで自分の子の生存率が上がる他、よその子をエサにすることで手軽にタンパク質を摂ることができるのです。
また、直接手を出す他に生き埋めにして息の根を止めようとすることもわかっています。
面白いことに、子を失ったメスは他の子を襲わなくなります。
それどころか、残った他の子にお乳を与えるような世話をするようになるのです。
それが自分の子を殺したメスの子であろうと関係なく面倒を見るので、生き残った子どもは生存率がうんと高くなります。
あまりにもドライすぎる子育て。
子孫存続のために復讐心は捨てたんだ。
オグロプレーリードッグを見られる日本の動物園まとめ
2021年8月現在、日本でオグロプレーリードッグを見られる動物園は以下になります（日本動物園水族館協会加盟施設のみ）
円山動物園（北海道）
弥生いこいの広場（青森県）
大森山動物園（秋田県）
盛岡市動物公園 ZOOMO（岩手県）
八木山動物公園（宮城県）
宇都宮動物園（栃木県）
那須どうぶつ王国（栃木県）
群馬サファリパーク（群馬県）
かみね動物園（茨城県）
埼玉県こども動物自然公園（埼玉県）
上野動物園（東京都）
羽村市動物公園（東京都）
江戸川区自然動物園（東京都）
千葉市動物公園（千葉県）
市原ぞうの国（千葉県）
夢見ヶ崎動物公園（神奈川県）
横浜・八景島シーパラダイス（神奈川県）
富山市ファミリーパーク（富山県）
いしかわ動物園（石川県）
須坂動物園（長野県）
楽寿園（静岡県）
伊豆シャボテン動物公園（静岡県）
日本平動物園（静岡県）
東山動植物園（愛知県）
岡崎動物園（愛知県）
王子動物園（兵庫県）
神戸どうぶつ王国（兵庫県）
淡路ファームパーク イングランドの丘（兵庫県）
とくしま動物園（徳島県）
池田動物園（岡山県）
のいち動物公園（高知県）
徳山動物園（山口県）
秋吉台サファリ（山口県）
到津の森公園（福岡県）
海の中道動物の森（福岡県）
九十九島動植物園（長崎県）
長崎バイオパーク（長崎県）
熊本市動植物園（熊本県）
平川動物公園（鹿児島県）
ポピュラーな動物で全国色々な動物園で見られるので、ぜひ遊びに行ってご覧になってみてください！
写真
こちらの記事でたくさんのプレーリードッグの写真をまとめておりますので、よろしければぜひご覧ください！
まとめ
以上、オグロプレーリードッグについて紹介させていただきました。
可愛いだけじゃなく社会性も高く、時に残虐な一面も持ったプレーリードッグについて、少しでも知っていただけたら幸いです。
色々な動物園で飼育されているので、ぜひご自身の目でもご覧いただいてよりプレーリードッグのことを好きになってくださったら嬉しいです！
では、最後まで読んでくださりありがとうございました！
オススメ記事
参考
プレーリードッグ | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
オグロプレーリードッグ - 動物紹介 - 自然動物園 - 公益財団法人 えどがわ環境財団
講談社の動く動物図鑑 MOVIE mini 動物（2019年7月1日 第１刷出版）
天才すぎる生き物図鑑 早川いくを（2021年7月7日 初版発行）
