今回紹介するのはリカオンだ。
なんだかハイエナみたいな見た目をしているね~。
見た目は似ているが、実は全然違うんだぜ。リカオンの生態をハイエナとの違いも併せてお伝えするぞ。
リカオンの生態
1.サバンナで暮らすイヌ科の仲間
リカオン
分類:食肉目 イヌ科
生息地:アフリカ(サハラ砂漠以南)、サバンナ
体長:80~110cm
体重:18~36kg
リカオンはアフリカのサバンナや草原で暮らすイヌ科の仲間。
「パック」と呼ばれる群れを形成し、10頭前後と一緒に生活します。
群れは複数のオス・メスとその子どもたちで形成されています。
未だ多くの謎に包まれていますが、非常に社会性が高いことが特徴的な動物です。
2.リカオンは男女平等
動物の世界では力の一番強いオスが群れのリーダーになることが多いです。
もしくは、オオカミのようにオスのリーダー、メスのリーダーと分かれている場合もあります。
一方、リカオンには性差がなくメスもリーダーを務めることがあります。
狩りも子育ても雌雄一緒に行います。
体格差もほとんどないのが驚きだよな。
3.サバンナNo.1の狩りの成功率
リカオンのチームワークは抜群!
仲間同士の巧みな連携から織り成す狩りは成功率80%と言われています。
成功率30%のライオン、60%のハイエナと比べてもリカオンの狩りが群を抜いて上手なことがわかります。
また、スタミナも抜群で時速50~60kmもの速さで相手を長時間追い続けることができ、狙った獲物は逃がしません。
その圧倒的な狩りの上手さから別名「アフリカの狩猟犬」とも呼ばれています。
4.くしゃみで多数決を取る民主主義
リカオンはラリーと呼ばれる決起集会を開きます。
集会では狩りに行くか、休憩するかを会議します。
リーダーの一存で行動を決めるのではなく仲間同士が意思決定を行います。
そして、それはくしゃみに回数よって決まることが確認されているのです。
くしゃみで多数決を取るんだね!
研究の結果、くしゃみの回数が多いほど狩りへ行く可能性が高いことが判明しました。
序列が優位なほど意思決定力が高く、序列最上位がくしゃみを開始すれば3回ほどで狩りへ、序列下位から始めれば10回ほど必要であることも確認されています。
現段階の研究では「くしゃみ=賛成」と断言できるわけではないものの、リカオンの群れはくしゃみによって意思決定されていると考えられています。
5.リカオンは絶滅寸前
非常に社会性が高く狩りも上手いリカオンですが、現状では絶滅が危ぶまれている動物の一種です。
生存する野生個体数は推定6600頭、IUCN(国際自然保護連合)が発表しているレッドリストでは特に絶滅の危険性が高いとされる絶滅危惧種(EN)に選定されています。
原因としては人間の住居地域の拡大による生息地の縮小、狂犬病などによる病死が挙げられます。
人間の生活範囲の拡大によりリカオンが家畜などを襲うこともあるようです。
それを恐れた住民たちが補殺するほか、家畜の病気に感染することも数を減らす原因と考えられています。
人間と野生生物の生活圏が近づいた弊害だな。
6.ハイエナではない!
リカオンについて調べていると「ハイエナに似ている」という声が多く見られました。
リカオンとハイエナの類似点を挙げてみると……。
- サバンナに暮らしている
- 体形が似ている
- 耳が丸い
- まだら模様がある
などなど。
確かに多くの類似点がありますよね。
ではここでハイエナの写真を見てみましょう!
似て……ない!
まず、模様のパターンが全然違いますよね。
ブチハイエナはチーターのような黒で塗りつぶしたような模様ですが、リカオンは黒・白・茶の模様をしています。
骨格もリカオンはスラっとしたイヌようなスタイルに対し、ハイエナは首が長く、前足より後ろ足の方が短い独特な形をしています。
また、生態もリカオンと異なる点があります。
リカオンには雌雄に大きな差はありませんが、ハイエナはメスの方が序列が高いメス社会であるという大きな特徴があります。
そもそもハイエナはイヌ科じゃなくてハイエナ科だから、全然違う動物なんだぜ。
リカオンを見られる動物園
2021年2月現在、日本でリカオンを見られる動物園は以下の通りです。
現状では2つの施設でしか見られないたいへん貴重な動物です。
ズーラシアは神奈川県横浜市にある非常に大きな動物園で、自然環境の再現度が非常に高い見応えたっぷりな動物園です。
CMソングで有名な富士サファリパークは、サファリゾーンで間近で動物たちを見られるのはもちろん、イヌやネコ、ウサギとの触れ合いを楽しむことができます。
リカオン以外にもアメリカグマやシマハイエナなど、なかなか見られない珍しい動物が暮らしているのが特徴です。
まとめ
以上、リカオンを紹介させていただきました。
なかなか目にする機会も名前を聞く機会も少ないと思いますが、実は非常に高い能力を持つ実力派。
イヌ科らしく非常にお顔立ちも良く、とっても凛々しいリカオンです。
少しでもリカオンについて興味を持ってくださったら嬉しいです。
気になったという方はぜひ動物園に会いに行ってみてください!
最後まで読んでくださりありがとうございました!
オススメ記事
参考サイト
- リカオン|アフリカのサバンナ|動物紹介 よこはま動物園ズーラシア公式サイト|公益財団法人 横浜市緑の協会
- リカオン | 富士サファリパーク 公式サイト
- 【動画】リカオンがくしゃみで投票、合意形成か | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
- 動物の世界に学ぶ「民主主義」の作法:朝日新聞GLOBE+