こんにちは。
6月4日に富山県魚津市にある魚津水族館に行ってきました。
魚津水族館は富山県唯一の水族館にして、1913年に開館された現存最古の水族館で藻あるのです。
厳密には戦争や老朽化などの問題により2度閉館しており、現在は1981年に開館した3代目となっています。
当時日本海側最大の水族館としてオープンし、世界初のアクリルのトンネル水槽が造られた由緒ある水族館です。
そんな歴史ある水族館へ行けることに胸を躍らせていたのですが、ネットで検索するとサジェストに「ショボい」という不穏なワードが上位に出てきちゃったんですよね……。
実際、3代目も既に40年以上の歴史があり老朽化が激しいわけで……。
真相を確かめるべく……というわけではありませんが、どんな水族館なのかドキドキワクワクしながら行って参りました。
約200枚の写真で魚津水族館の様子をレポートとしてまとめましたので、ぜひお楽しみください!
いざ、入館!
13時30分
最寄り駅である富山地方鉄道本線の西魚津駅で降りました。
なかなか年季の入った看板です。
え……?
水族館以前にまず駅がボロボロすぎる!
自販機だけやたら充実しているちぐはぐ感が良いですね笑
近くには水族館だけでなくミラージュランドという遊園地や博物館もあります。
まるで昭和時代にタイムスリップしたかのような不思議な感覚です。
閑静な住宅地を抜けていきます。
遠くに見える山々が美しいですね。
歩くこと約15分。
美しい田んぼのその先に……。
ありました!
魚津水族館です!なんだか学校みたいですね。
今まで訪れた水族館の中でも一番小さかったと思います。当時は日本海側最大だったそうなので、時代の流れを感じます。
入館料1,000円払って、いざ入館!
チケットがゴージャスでテンション上がっちゃいますね。
富山の河川
入って最初のエリアは淡水生物が暮らす富山の河川です。
このように富山の淡水域を再現した展示場となっています。
手書きのイラストが可愛らしいですね。
田んぼの多様性
こちらのコーナーでは様々な田んぼの生きものが展示され、魚だけでなくカエルやヘビも暮らしています。
ヒキガエルが飼育されている水槽です。
アズマヒキガエルとナガレヒキガエル、そしてその2種の交雑種が展示されていました。
1枚目は鼓膜が大きいのでアズマヒキガエルだと思うのですが、2枚目は誰なのかさっぱり区別がつきません……。
野生ではそれぞれ離れた場所で繁殖してましたが、土石流を防ぐ為に砂防堰堤をつくったことで川の流れが緩やかになったことで、両種が交わってしまったのではないかとのことです。
砂防堰堤が無いと土砂災害の危険が高まってしまうけど、つくったことで生態系を狂わせてしまった……難儀な話ですね。
ニホンアマガエルは色々な色違いが展示されていて面白かったです。
もはやオリジナルがいなかったような……笑
こちらの水槽から田んぼらしさが出てきました。
奥の水槽ではアオダイショウと、姿は見られませんでしたがシマヘビが暮らしていました。
カメが暮らしている水槽には穴が空いており、写真が撮れやすくなる工夫が施されていました。
スポットライトを独り占め。
カメだけでなくコイの仲間も一緒に暮らしていました。
外来種啓発コーナーも用意されていました。
外来種と言えばこの方、アメリカザリガニ。
我ながらめっちゃ綺麗に撮れてる笑
環境省によるわかりやすい掲示板も用意され、アメリカザリガニが日本で大繫栄した経緯が説明されています。
全国どこへ行っても見られるってそれだけ色々な人が逃がしたり捨てたりしたってことですよね……恐ろしや……。
写真を収めることはできませんでしたが、隣にはニホンイシガメとクサガメの交雑種がいました。
クサガメも外来種なので、ミシシッピアカミミガメ共々ニホンイシガメの生息地をどんどん奪っているのが現状です。
波の水槽
ここから海の世界に入ります。
手前にはちょっと珍しい生き物が暮らす水槽がありました。
オオミミズハゼというハゼの仲間です。
岩などの隙間の下で生活するため水槽を俯瞰するだけでは見えないため、水槽の下に鏡を設置することで観察できる仕組みになってました。
こ、これは閲覧注意だったかもしれない……!
お腹がピンク色なので余計にミミズに見えちゃいますね笑
隣の水槽にはヒトヅラハリセンボン。
微妙な写りになってしまいましたが、隣にはメイタイシガキフグが展示されていました。
どちらも富山湾での目撃されるのは非常に珍しいようです。
特にヒトヅラハリセンボンの27年ぶり2例目は本当に稀であることがわかりますね。
魚津の海を再現した水槽です。
山の背景が美しいですね。
エリア名の由来になっている波は装置の故障により起きなくなっていました。
展示環境は綺麗に整っているものの、設備周りに関してはかなりガタが来てしまっているみたいですね……。
それでも人の力で波を起こしていると聞くと涙を禁じ得ません……!
展示されている魚は何と釣りで採集しているとのこと。すごい!
マアジギャグで笑っていいのか悩みます笑
こちらの外観は撮り忘れてしまいましたが、確か海岸の生物というコーナーだったかなと思います。
一区画にしかない小さなエリアでしたが、ウミウシなどもいてなかなかに見応えがありました。
深海生物
富山湾の深海に棲む生き物たちが暮らしているエリアです。
さすが富山湾、美味しそうな生き物ばかりで……じゅるり。
ビクニンのような深海魚らしい独特な風貌をした魚たちも泳いでいて見ていて飽きませんでした。
表層生物コーナー
続いては魚津水族館が誇る大水槽!……の前に。
大水槽のお隣にある、小さい水槽が並んだ表層生物の紹介です。
富山湾の表層域に生息している生き物が展示されています。
キツネメバル?
タヌキメバルというのもいるらしい……。
あんたもメバルか……?
大あくび!
金色のオニオコゼです!
オニオコゼは突然変異で派手な色をした個体が度々発見されているようです。
白多めな子もいました。
名前の通り、下あごにヒゲを蓄えた不思議な魚です。
おふさげ満載な掲示板、好きです。
こんなところにもさかなクンのイシガキフグが。
仙台うみの杜水族館でも会いました。全国を巡っているんですね~。
富山湾大水槽
こちらが魚津水族館の大目玉、富山湾大水槽です!
大きな魚がたくさん泳いでいて大迫力です。
ここは日本で初めてのアクリル製トンネル水槽なのです。
距離の短さや通路の狭さが時代を物語っていますが、レトロチックな雰囲気がして良いですね。
画角が悪くて申し訳ありません……汗
コンパクトさ故に間近で見やすくなっているのはむしろ良いポイントではないかと思いました。
ブリやカンパチがメインの水槽なのですが、奴ら動きが早くて撮れませんでした……泣
リュウグウノツカイのレプリカや標本なんかも展示されていました。
富山湾ではたびたび打ち上げられるようなので、その分展示内容も充実してますね。
富山湾のトピックス
富山の海底に注目したコーナーで変わった見た目の生き物が多く集まっていました。
ボヤは海のパイナップルと言われています。
マボヤに絡みついている海藻みたいなやつがウミシダです。
ウニやヒトデ、ナマコと同じ棘皮動物に分類される立派な動物で、エサを食べるし泳ぐこともできます。
なんと突然変異?の白いベニズワイガニが展示されていました!
めっちゃこっち見てる……。
ドチザメ水槽、アマモ場
こちらのフロアは左手にドチザメが暮らす水槽、右手にはアマモ場に棲む生き物やクラゲが展示されていました。
ドチザメは富山湾にも生息している比較的おとなしいサメです。
魚津水族館のドチザメはメスのみで赤ちゃんを産む単為生殖が確認されており、どうやらこれが世界初の事例のようです。凄い発見をしてますね!
アマモ場は海のゆりかごと呼ばれ、魚の産卵場所や小さい生き物の隠れ場として自然界で重要な役割を担っています。
ジャングル
日本を飛び出しジャングルに生息する様々な生き物が展示されています。
一本の通路の壁に水槽が並んでいるというシンプルな作りが魚津水族館らしいですね。
サンゴ礁
熱帯・亜熱帯の浅い海に広がるサンゴ礁のコーナーです。
こぢんまりとしていますが、魚津水族館随一のカラフルで華やかな水槽が見られます。
あえて死んだサンゴを展示している水槽もありました。
サンゴ礁は海全体の1%ほどしか占めていないのにかかわらず、海の生物の約25%が生息していると言われているそうです。
死んだサンゴは共生している褐虫藻がいなくなるため白くなります。
水槽にはガンガゼやオニヒトデなど、サンゴの天敵とされる生き物も一緒に展示されていました。
死んだ生き物の展示はインパクトが強く、環境問題に対してより直接的に考えさせられるなと感じました。
バックヤード等々
展示コーナーは大方回りましたので、ここからは展示以外の施設や館内風景を載せていきますね。
こちらはバックヤードになっており、2階にある富山湾大水槽を上から覗くことができます。
出入り自由になっているバックヤードは初めて見ました。
他の水族館では有料体験になっていることがほとんどなので、気軽に裏側を見られるのはとても良いですね。
裏では飼育員さんの方が働く様子が見られます。
タイミングによってはダイバーさんとも会えそうですね。
ぼっちコミュ障な私にはスタッフさんとの距離が近いと緊張して逃げ出したくなります……笑
奥の方はネット遊具になっており、お子様が至近距離で富山湾大水槽の魚を見ることができるようになっていました。
こちらは自転車をこぐことで自ら水流を起こすことができ、魚の泳ぎ方の変化を観察できます。
この辺りは昨年のリニューアルの際にできたもののようですね。老朽化に負けず、他の水族館にはないことに取り組めていて素晴らしいですね。
こ、この生きものは……!
ツチノコです!
まさか魚津水族館、未確認生物すら展示しているだなんて……!
という、おもんない冗談はさておき笑
それにしても1712年にはツチノコに関する情報が出ているとは、思った以上に歴史が深いんですね~。
こちらは世にも珍しいお魚ショーが行われるコーナーです。
2021年9月に老朽化により閉館した油壷マリンパークにもあったので、古い水族館では定番だったのでしょうか。
残念ながらショーは時間が合わず見ることができなかったので、どんな内容だったのか気になっちゃいますね。
少し進むとピラルクを中心としたアマゾン川に生息する生き物たちの水槽が見えてきます。
向かい側には裏に回って魚たちと記念撮影が撮れる水槽があります。
地元の小学生が作ったのであろう模造紙の制作物が貼られていました。
水族館に置いてもらえるだなんて凄い経験こそしたこと無いものの、昔こういうの作ったな~と懐かしい気持ちになりました笑
なんかおる……。
色んな魚たちの透明標本が展示されていました。これ凄い……!
屋上からは綺麗な田園風景に美しい山々、そして墓地。
ミラージュランドの観覧車もそびえ立っています。
田園と日本海が広がる田舎道に水族館と遊園地があるというちぐはぐ感が何だか癖になります。
飼育員自作の缶バッチのガチャガチャが多数展開されていました。
せっかくなのでお土産として私もガチャガチャしちゃいました。
どどん。
可愛い~。そして、絵のクオリティが高い!
階段には魚津水族館の歴史がずらりと並んでいます。
1981年の時点で3代目というのが歴史の長さを物語っていますね。
ウミガメ、アザラシ、チョウザメ、ペンギン
いよいよラストスパートです。
こちらではご長寿のアオウミガメが暮らしています。
魚津水族館で最も飼育期間が長く、なんと昭和45年から50年以上飼育しているとのことです。
ご飯は問題なく食べられるものの自由に潜れなくなるほど衰えてしまったようで、ゆっくりと余生を過ごしているみたいです。
こちらのガラスエステコーナーでは、人の角質を食べることでお馴染みのガラ ルファ、通常ドクターフィッシュが展示されていました。
実際に水槽に手を突っ込んで角質を食べられる体験ができるみたいです。
バックヤードでエンカウントした親子の方々が再びいらしてたので、私は水槽を覗くことすらできませんでしたが……笑
水族館人気者、ゴマフアザラシの水槽です。
ここに来てついに哺乳類が現れました。
母のまちこと娘のハルが暮らしていました。
動きが速くて全然撮れない……!
館内で見られるのはここまでで、残りは外から見ることになります。
アザラシの水槽も外から見ることができます。
撮影難易度はさして変わりませんでした笑
面白いのがこちらの円形水槽。
ちょっとわかりづらいですが、ここではチョウザメが飼育されています。
こんな間近で古代魚を見られるだなんて……!
締めはフンボルトペンギンです。
子どもペンギンも外に出ていました。
アザラシ、チョウザメ、ペンギンに関しては屋外で展示されているので、入館料を払うことなく見ることができちゃいますね。
まとめ
以上、魚津水族館の現地レポートの紹介でした。
魚津水族館がショボいとかいう噂がありましたが……めちゃくちゃ良い場所じゃないですか!
確かに観光目的で行くとなると全体的にコンパクトだしキラキラ感も少ないですが、年季を感じるレトロさと飾らないデザインで生き物の観察のしやすさを重視しているところが水族館らしくて凄く刺さりました。
レトロさでいうとあのボロボロな西魚津駅も思い返せば味があって良かったですね笑
あと、手書きのポップが多くスタッフさんたちの温かみを感じやすかったのも素敵でした。スタッフさんたちが私たちに見せたい水族館を自分たちで作り上げているんだというのが伝わりました。
日本最古といっても建物自体は2度変わっていますし何度かリニューアル工事もしているようなので、思っていたより廃れた感じはしませんでした。
裏で動いている機械はかなりガタが来ているみたいですが、お客さんが見る水槽に関してはかなり綺麗にされていてとても見やすかったです。
最近は老朽化により閉館してしまう水族館も増えていますが、ここは富山唯一の水族館でもありますし、何とか続いてほしいなと思います。
約1時間半しかいられないというタイトなスケジュールでしたが、総じて満足度が高かったです!
騙されたと思ってぜひ遊びに行ってみてください!
では、今回はここまでになります。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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